店員の新月には、双子の妹がいた。
いや、今も猫となって側にいる。
7年前、新月は病院のベットで気が付いた。
体中に管がついていて、口には酸素吸入器が装着されていた。
体中が痛かった。
しばらくすると、看護師が気が付いたことに気が付き話しかけてきた。
あなたは、交通事故で意識不明だったのだけど、気が付いて良かった。
間もなく、知らせを受けた両親が駆けつけ、心配はいらないからね。
ゆっくり直せばいいからと言った。
新月は気が付く前、暗闇の中で誰かの名前を叫んでいた。
みつき、みつき、みつきと。
誰の名前かわからず叫んでいたが、返事もなくあきらめてしまった。
そのうち、お姉ちゃん、お姉ちゃんと呼ぶ声がしたが、自分に妹がいるという認識はなかった。
事故のショックで、事故の事、妹の満月の事を忘れてしまっていた。
正確には、封印されていた。
気が付いた新月は、しばらくすると起き上がれるようになるが、寝たきりが長かったため難しかった。
しかし、誰かが手伝ったくれる感触があり起き上がることが出来た。
そして、歩くことが出来るようになるとふらつきながらも歩いた。
その時も、誰かが支えてくれているようだった。
交通事故は、公園で待っている男の子のところに、新月と満月が行く途中で起きた。
トラックが突っ込んできて、満月は即死、新月は意識不明の重体だった。
満月は、トラックが突っ込んできたところから意識がなかったが、次に見たのは自分の通夜であった。
自分はここにいるのにと不思議だったが、よく見ると体は半透明、他の人には認識されない、声も聞こえなかった。
死んで、幽霊になったんだと思った。
次は告別式で、自分の体が火葬されるのを見た。
その時に、姉の新月が意識不明で入院しているのを知り、新月のところに行った。
新月は、うわごとのようにみつき、みつき、みつきと言っていた。
満月は、お姉ちゃん、お姉ちゃんと声をかけた。
しばらくすると、新月は気が付いた。
しかし、新月は気が付いてくれなかった。
新月が起き上がろうとするとき、満月は手伝った。
おかげで、新月は起き上がれた。
新月が歩くとき、満月はふらつく新月を支えた。
